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2021年5月28日「おいしい」を目指して

今年もGWは緊急事態宣言により不要・不急の外出が控えられたため、行楽地も閑散だった。私に至っては数年前からGWは夏野菜の植え付けでどこもいけない。今年も例外はない。

娘婿の好物ということでスイカにこだわっている。

スイカといえば、北海道当麻町特産の伝助スイカはお取り寄せで4000円~8000円超え、ご祝儀相場となると20万とか80万とかの値が出てびっくりする。一度食してみたい気もするが、いやいや「紅まくら」の方がおいしいに決まっていると思うので今年も自分でつくることにした。

図書館で見つけた「体にやさしい・おいしい野菜の作り方ー農家のコツを教えます」が面白そうで購入して参考とした。

スイカはアフリカを原産として、高温、乾燥を好み、また夏の厳しい暑さに耐える為、深い穴を掘って元肥に堆肥を施すのがコツだという。品種は、富山県の黒部に行ったときにたまたま見た枕系の「紅まくら」を選んだ。味など初めて栽培するので無頓着だった。

朝からひたすら、幅30センチ、深さ40センチの穴を20数か所も掘っていると、体力アップにちょうど良いのだが、さすがに疲れてくる。隣の家の太郎さんが、スイカの根は浅いから深く掘る必要がないとわざわざ言いに来てくれた。また最初にできた赤ちゃんスイカは摘果した方がよい、とか教えてくれた。お礼にと収穫後にスイカを持って行った。後になって太郎さんがおいしかったが、田の肥料が残っていたせいだろうと言いにきてくれた。肥料も影響するようだ。その後彼は脳梗塞になったが、幸い後遺症はなかったそうだ。台風の後片付けもテキパキと動いておられた。でも、1カ月も立たないうちに、レントゲン技師をしている彼の息子さんが来られた、脳梗塞で亡くなったことを知らせに来てくれた。最初の脳梗塞は、TIA(一過性脳虚血発作)で本物の脳梗塞がきたのだろうか?もちろん服薬もされていただろうが、薬効はどうだったのだろうか、脳梗塞の怖さを知った。

ある日、種苗店で苗を買っていると、小さな子連れの若い夫婦が通りすがりに「ねえ、アンタ、一度おいしいスイカを作ってよ」と奥さん、ご主人は「自慢じゃないが、スイカだけは失敗ばかり、上手くいったことはない」。思わず、出しゃばってスイカの栽培はコツがあってねえ、と言いたかったがやはりやめた。実際、今年も温度管理の失敗と水のやりすぎで数本の苗を取り換えた。まだまだ初心者である。

スイカの成長は早く、枝もみるみる伸びていき、果実もどんどん大きくなる。夏の太陽光のエネルギーは素晴らしく、葉緑体の光合成のおかげだ。最近はこの光合成の研究テーマになっている企業も多いらしい。また、プロは品種により受粉後40~50日とかを基準にしているらしいが、受粉は虫任せ。最近ミツバチ等の昆虫が少なくなってきて心配だ。いつ受粉したかスイカに聞けるわけもなくわからない。もっと心配なのが台風。苦労が水の泡になってしまう。スイカの収穫は、熟度がわからないから適当である。以前に早く収穫してしまって「惜しいなぁ、もう1週間待っていれば美味しかったのに」と言われたこともある。収穫が一番緊張する。美味しいと言われるまで安心できない。

以前私のスイカを買って食してくれた近所の女性がおり、たまたま患者として来局した際に「こんなおいしいスイカは初めて、自分も作りたい。作り方を教えて」と言ってこられた。「後でコピーを渡します。参考書との違いは、追肥する代わりに元肥として堆肥に化学肥料をひとこぶしぐらいの量を入れています」と説明した。先日、その女性が処方箋を持って来局されたので様子を聞いたところ、元肥に堆肥への追加ではなく化学肥料1Lを施したとのこと。「え!1Lも化学肥料を!?」もらったコピーに、そう書いてあったとのこと。おかしいと思いながら施肥してしまったらしい。いまさらやり直す気力はないだろう、私が化学肥料の話をしたので思い違いをしたのだろうか、少し反省。果樹は化学肥料に弱いが、作物は案外鈍感なので大丈夫だろう。

ひょっとしたらおいしいかも。そう思いながら、先日新たに苗を買いに行った。彼女のために1個ないし2個は確保しておきたい。

 

おいしいスイカと褒めてくれていたのだから。

 

キクヤ調剤薬局春日店

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